日時 |
平成30年2月10日(土) 13:30~16:30 |
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会場 |
埼玉県看護協会 研修センター |
目的 |
1.各施設の看護連盟リーダーとして役割を理解し、看護現場の声を聞きとる技法を学ぶ |
2.看護系国会議員の活動を理解する |
参加者 |
83名 |
第1部
1.看護連盟リーダーの役割 |
講師 |
埼玉県看護連盟 会長 竹内良子 |
2.現場の声を聞きとろう |
講師 |
第4支部幹事 菊地 章子 |
3.グループワーク |
テーマ |
1) 傾聴体験 |
AB2人1組
A:日ごろ困っていることを話す
B:リーダーとして話を聞こう |
2) リーダーとして 現場の声を聞きとるために、どのような行動をとるか |
グループワーク発表内容
◆傾聴講演◆
・よく聴いてくれる相手には安心して話せる。
・否定されないと話しやすく、聞いてくれているという安心感がある。
・否定から入らず、相手の気持ちに入るような気持ちで聴く。
・聴いていますよ、という態度に安心する。(目を見る・相槌をうつ・待つ)
・聴いてもらうことで自分だけではないことがわかり、安心する。
・口に出してみて、自分の本当の気持ちに気づくことができた。
・愚痴を聞いてもらえるだけでスッキリする。(愚痴は改善したいという思いがある)
・聴く姿勢が大切。わかりにくいことは、間違えて解釈しないように相手に確認する。
・自分の体験を話すだけではなく、一人ひとりの意見を聴く。
・問題解決のヒントになるように話を聴いてくれる。
◆現場の声(現況)◆
・現場からの声が上がってこない。(声を届ける手前まで)
・意見が出たとしても、それをどこに届ければよいかわからない。
・中間層が止めてしまい、上司に伝わらない。
・部下が多く多忙なため、スタッフから声が上がらない。
・現場が全体的に連盟活動に活発ではない。どんな活動が行われているか知らない。
・女性職員が多い。男性職員が入ると会話がアサーティブになる。
・人員不足。子供の発熱などで休むと独身者に負担がかかる。
・時短の看護師も時間で帰れない。
・若い職員が多いため選挙に行くという習慣がなく、選挙が自分の給与や生活との結びつきがわからない現状がある。
・県外から入職した看護職員が多いため、投票場所がわからず、議員の名前や顔を知っていても投票につながらない。
◆現場の声をどのように聞くのか?◆
・連盟の活動を伝えていく。
・ボックスなどを設置する。
・アサーティブなコミュニケーションを行う。
◆リーダーとしての役割◆
・看護系の国会議員に言いたいことは、アンケート用紙に記入し意見を伝えていく。
・研修に行ったこと、そこでの体験を職場に伝えていくコミュニケーションが大切。
・リーダーの役割をスタッフに伝え、次のリーダーをする人にわかってもらえるようにする。
・聞くだけでなく、自分の意見も伝える。
・カンファレンス、面談の機会を設ける。(まず褒める。信頼関係を築いて)
・連盟の活動を周知することが必要。リーダーが伝えることで、より一層活動が広がるのではないか。
・研修内容を上司に報告していく。
・連盟の会議に意見を持っていく。
◆連盟としてどう行動するべきか◆
・連盟の活動を伝えていく。
・現場の声をきちんと伝え、その答えを必ず届ける。
・連盟・協会の活動を周知させ、現場の意見を聴いていくことが大切。
・病棟スタッフにわかりやすく政治活動を広める。
・新人のときから看護連盟の入会を勧める。
・病棟会やカンファレンスの際に、看護連盟の活動を病棟スタッフにアピールする。
・病棟スタッフと一緒に看護連盟の研修に行けるように声をかける。
・わたしたち病棟でできること、連盟に上げて解決することがある。
第2部「国会議員として、看護現場の声をどう制度政策につなげていくか」
講師:参議院議員 たかがい 恵美子 氏
講義内容
◆国会議員は法律を作るという大切な仕事◆
・国会議員の大切な役割であり、法律を創る、また法律改正によって世の中の状況が変わる。
・法律を変えることは、困難なことが多い。
◆法律を創る、改正するプロセス◆
1.声を上げる(発信していく)
2.構造を示す(どのようになりたいのか、目指すところは何か)
3.現場の声を聞く(リサーチ)
4.ぶれないコンセプトを持つ(例:禁煙・国家試験再実施の例を挙げて説明)
◆質疑応答◆
Q:夜勤手当・役職手当について
A:ほかの現場の状況がどうか、話し合うことが必要
・現場によってこんなに違う、などの現状を知ることができる
・なぜ「手当」なのかの疑問を持つことも必要。「手当」は年金に反映されない。基本給を上げる努力も必要。
・いくら上げたいのか、どのようにして上げるのか、自分たちが考えて「案」を提示する。
・「どうしたい」「どうなりたい」の声を出していくトレーニングも必要であり、看護連盟を通して発信していくことができる。
Q:労働力不足について(職員の高年齢化、離職、外国人労働者の効用はコストが高い、など)
A:離職をしない工夫を考える。組織で解決できる問題と、国が解決しなければならない問題がある。(原因は?賃金?など)
人がいないから今いる人で頑張る→職員が疲弊していく→職場をやめていく
このサイクルを打破するには、頑張るだけでなく主張していくことが必要。たとえば、ほかの職種との比較を提示して主張していく。(他職種との生涯賃金の格差など)
看護学生の奨学金制度についても言及。
Q:育休3年について(3年のブランクは現場としては痛手)
A:95%が女性の職種であること、24時間フル稼働で看護を提供しなければならない仕事であることを考えると、常に稼働できる人員がどれくらい必要であるのかを主張し、看護職員配属人数に反映していく。そのことを他者に説明ができ、理解してもらう必要がある。
(記録:埼玉県看護連盟監事 井口かほる)
当日はたかがい議員より、「Wi-Fi整備補助に活用しうる平成30年度補助事業について」「専門実践教育訓練給付制度の活用の流れ」など、貴重な資料をいただきました。
※資料をご希望の方は埼玉県看護連盟にお電話ください。
アンケート集計結果
今後希望する研修がありましたらお聞かせください。
- 傾聴については、研修講師をプロに変えていただきたい。新人研修のようでした。残念です。
- 参加して楽しい研修会。また参加したい研修会。ストレス発散できる研修会。
(笑いヨガ・映画鑑賞・看護、介護など)
- 「管理職とはどうあるべきか」いつも、どこの研修でもあると思いますが、私はいつも自分への課題です。
少しでも学びに繋げられたらいいと思います。検討をお願いします。
- 高階議員のお話を聞いて、政策について、知らないことが多いと感じました。看護と政策について学べる機会があればと思います。
- 看護連盟にきた意見を討論する等
- メンタルヘルスケア
連盟活動についてご意見やご要望がありましたらお聞かせください。
- 現場の声をどんどん集める。会員間の交流を深める。会費を下げる。例:7000円
- 研修ありがとうございました。 自部署に持ち帰り伝達したいと思います。
- 本日の高階議員のお話は、石田議員と違って、切り口が辛く感じられました。
しかし、看護職が自立して地位向上を勝ち取って行かなければならないのだと痛感しました。具体的に何をしていけば良いのか…。
「現場の声をあげる」ということは、ただ愚痴をいえばいいということではないと感じました。議員がおっしゃるように「声のあげ方」を学び、効果的に届けられるような活動になると良いです。
今回のような機会を複数設けていただく事を希望します。
- 退院支援時に地域連携ができていない
- 議員の話が直接聞けると、将来の希望が持てる気がします。
こういう理由で、こういう法律が、どのように出来ているかもよくわかりました。
- たかがい先生のお話は大変わかりやすく、参考になりました。
埼玉県看護連盟では会員サービスを検討しています。皆様のアイディアをお聞かせください。
- 国会議員の先生方との宿泊研修会
- 温泉施設、入浴施設の割引券など連盟だよりでプレゼント応募
- 会費千円にしてほしい